天子山塊の草刈り 2019年6月16日

 富士山、天子山塊を地元とする地域山岳会として、20数年前から、天子山塊の縦走路の草刈りを実施している。きっかけは、「花の百名山」の著者、田中澄江さんが、雨ヶ岳に登ろうとして、登山道が笹におおわれ登れなかったことを山岳雑誌に書かれた文を読んだことにある。時のリーダーが、「地元の山岳会として草刈りをしよう」と呼びかけたことから始まる。今は、地元行政からの委託を受けての活動になった。

 年2回に分けて、長者ヶ岳から端足峠までの稜線の登山道の草刈りを実施している。草刈りを始めたころは、笹におおわれ登山道が分からなくなっていたところが、半分近くあった。草刈り機を持ち上げ切っても切っても登山道がひと冬経過すると、笹が雪で倒され道をおおってしまう。それを刈ることを毎年繰り返してきた成果が今日の状態になっている。今では、登山道として問題なく通行できるようになった。

  今年6月16日、タカデッキを中間点として、麓からと、端足峠からの2グループに分かれ、草刈り機をそれぞれ持ち上げて、笹や草、木の枝が道をおおうものを刈る。最近では、強い風がしばしば吹くためか、倒木が登山道をおおうケースが多い。それを鋸で切って、通行に支障のないようにしたり、倒木を道脇に動かす作業をこの日も何回もした。始めたころには、この間、登山者と行き会うことはなかったが、この日は、かなりの登山者とすれ違った。地元高校登山部2校ともすれ違った。この縦走路が、普通の登山道として通行者のある姿をみることができ感無量!この日は、快晴で、そびえたつ富士、朝霧高原から駿河湾、伊豆半島が鮮明に遠望できる風景を登山者に味わってもらえる手助けができていることに誇りを感じた。また10月に、長者ヶ岳側の登山道整備する意欲もわいてきた。

 

(記 工藤誠)



(撮影 M)